【閲覧注意】まだ交点の座標を求めてるの?円と直線の線分の長さでハマる罠

数学ⅡB

「円と直線が交わってできる弦(線分)の長さを求めよ」という問題。

愚直に交点の座標を求めようとして、「うわ、計算が地獄だ……」と絶望した経験がある生徒は多いはずです。

数学教師として断言しますが、この問題で交点の座標を求めるのは最終手段
図形の性質を利用した「第2の解法」こそが、スマートかつミスを防ぐ王道です。

今回は、2つの解法を比較してみたいと思います。


1. 2つの解法を比較してみる

【問題】
円 $x^2 + y^2 = 4$ と直線 $x + 2y – 1 = 0$ が交わってできる線分の長さを求めよ。

解法1:交点の座標から攻める(いばらの道💀)

まずは、多くの高校生が最初に思いつく「交点を出す」方法です。

直線の方程式を $x = 1 – 2y$ として、円の方程式に代入します。

$$(1 – 2y)^2 + y^2 = 4$$

$$1 – 4y + 4y^2 + y^2 = 4$$

$$5y^2 – 4y – 3 = 0$$

この2次方程式、因数分解ができません。解の公式を使うと……

$$\displaystyle y = \frac{2 \pm \sqrt{2^2 – 5 \times (-3)}}{5} = \frac{2 \pm \sqrt{19}}{5}$$

ここから2つの交点の座標 $(x_1, y_1), (x_2, y_2)$ を出し、2点間の距離の公式 $$d = \sqrt{(x_1-x_2)^2 + (y_1-y_2)^2}$$ に当てはめる計算を想像してみてください。……やりたくないですよね。

この辺でやめておきましょう。

※この記事のまとめの下に、実際に最後まで計算した場合の解法を載せておきました。
勇気のある人だけ、下の赤いボタンから「修羅の道」を覗いてみてください……💀

💡 数学教師の視点

交点の座標が「きれいでない」場合、この解法は計算ミスを誘発するトラップになります。


解法2:図形の性質(三平方の定理)で攻める(黄金の道😎)

円の「中心から弦に下ろした垂線は、弦を2等分する」という中学数学の知識を使いましょう。

以下の3ステップで完了です。

① 円の中心と直線の距離 $d$ を出す 上の図の赤い線分の長さ

円の中心 $(0, 0)$ と直線 $x + 2y – 1 = 0$ の距離 $d$ は、点と直線の距離の公式より:

$$\displaystyle d = \frac{|1×0 + 2×0 – 1|}{\sqrt{1^2 + 2^2}} = \frac{1}{\sqrt{5}}$$

② 三平方の定理で弦の半分 $L$ を出す 上の図の青い線分の長さの半分

円の半径 $r = 2$、中心からの距離 $d = \displaystyle \frac{1}{\sqrt{5}}$ とすると、求める線分の長さの半分 $L$ は、直角三角形に注目して:

$$\displaystyle L = \sqrt{r^2 – d^2}$$

$$\displaystyle L = \sqrt{2^2 – \left( \frac{1}{\sqrt{5}} \right)^2} = \sqrt{4 – \frac{1}{5}} = \sqrt{\frac{19}{5}}$$

③ 2倍して答え!

求める線分の長さは $2L$ なので:

$$\displaystyle 2L = 2\sqrt{\frac{19}{5}} = \frac{2\sqrt{95}}{5}$$


2. なぜ「解法2」が圧倒的に良いのか?

2つの解法を比べると、その差は歴然です。

比較項目解法1:交点の座標解法2:図形の性質
計算量膨大(2次方程式+距離の公式)少ない(点と直線の距離のみ)
ルートの処理複雑(二重根号に近い計算も)シンプル(三平方の定理だけ)
ミスのリスク非常に高い低い

まとめ:この問題の鉄則

「円と直線の長さは、座標を求めるな。点と直線の距離を使え!」

座標を求めていいのは、問題文で「交点の座標を求めよ」と直接指示されたときだけです。それ以外は、中心からの距離と半径を使って、スマートに答えを導き出しましょう。

【番外編】解法1を最後まで解き切るとどうなるか?(修羅の道🙀)

「座標さえ出せば、あとは距離を測るだけ。簡単じゃないか」……そう思った過去の自分を叱りたくなるような、怒涛の計算がこちらです。

1. 交点の座標を算出する

まず、連立方程式を解いて交点の $y$ 座標を出します。

$$5y^2 – 4y – 3 = 0$$

解の公式より:

$$\displaystyle y = \frac{2 \pm \sqrt{19}}{5}$$

これを $x = 1 – 2y$ に代入して、$x$ 座標も求めます。

(※ここで符号のミスや、分数の計算ミスをするリスクが跳ね上がります)

  • $y = \frac{2 + \sqrt{19}}{5}$ のとき$$\displaystyle x = 1 – 2\left( \frac{2 + \sqrt{19}}{5} \right) = \frac{5 – 4 – 2\sqrt{19}}{5} = \frac{1 – 2\sqrt{19}}{5}$$
  • $y = \frac{2 – \sqrt{19}}{5}$ のとき$$\displaystyle x = 1 – 2\left( \frac{2 – \sqrt{19}}{5} \right) = \frac{5 – 4 + 2\sqrt{19}}{5} = \frac{1 + 2\sqrt{19}}{5}$$

したがって、2つの交点 $A, B$ の座標は以下のようになります。

$$\displaystyle A \left( \frac{1 – 2\sqrt{19}}{5}, \,\, \frac{2 + \sqrt{19}}{5} \right), \quad B \left( \frac{1 + 2\sqrt{19}}{5}, \,\, \frac{2 – \sqrt{19}}{5} \right)$$

この時点での心の声:

「うわ、座標の時点で数字がグチャグチャだ……。これ、本当に2点間の距離の公式に入れるの?」


2. 2点間の距離の公式にブチ込む

さあ、ここからが本番(地獄)です。2点間の距離 $AB$ は:

$$\displaystyle AB = \sqrt{(x_1 – x_2)^2 + (y_1 – y_2)^2}$$

まず、それぞれの差を計算します。

$$\displaystyle x_1 – x_2 = \frac{1 – 2\sqrt{19}}{5} – \frac{1 + 2\sqrt{19}}{5} = -\frac{4\sqrt{19}}{5}$$

$$\displaystyle y_1 – y_2 = \frac{2 + \sqrt{19}}{5} – \frac{2 – \sqrt{19}}{5} = \frac{2\sqrt{19}}{5}$$

これらを2乗して足します。

$$\displaystyle AB = \sqrt{\left( -\frac{4\sqrt{19}}{5} \right)^2 + \left( \frac{2\sqrt{19}}{5} \right)^2}$$

$$\displaystyle AB = \sqrt{\frac{16 \times 19}{25} + \frac{4 \times 19}{25}}$$

$$\displaystyle AB = \sqrt{\frac{(16 + 4) \times 19}{25}} = \sqrt{\frac{20 \times 19}{25}}$$

分母と分子を整理します。

$$\displaystyle AB = \sqrt{\frac{4 \times 19}{5}} = \frac{2\sqrt{19}}{\sqrt{5}}$$

最後に有理化します。

$$\displaystyle AB = \frac{2\sqrt{19} \times \sqrt{5}}{5} = \frac{2\sqrt{95}}{5}$$


結論:この解法を完遂したあなたへ

お疲れ様でした。解法2なら数行で済む計算に、これだけのエネルギーを使うことになります。

この解法のヤバいポイント:

  1. 二重根号に近い恐怖: 分子に $\sqrt{19}$ が乗った分数を2乗して足し合わせる際の心理的圧迫感。
  2. 符号のトラップ: $x$ 座標を出す際の $-2( \dots )$ の分配法則でミスを誘発。
  3. 時間のロス: 他の問題を解くための貴重な10分間を、この単純作業で消費。

ブログの読者には、ぜひこの 「真っ黒な数式」「解法2の白背景に映えるシンプルな数式」 を見比べて、どちらの道を進むべきか判断してほしいですね!

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