【あなたも確率に騙されている?】感覚とズレる確率の世界

数学ⅠA

この世の中には感覚とズレる確率が(きちんと理解している人からするとおかしくはないのだが)存在する。今回はそんな確率を紹介しようと思います。

混同してしまう確率

次の二つの確率を混同してしまう人がいる。それは、連続する試行の確率と1回だけの試行の確率である。例を挙げて説明する。

例題

あなたはとある賭けをしている。それはコイン投げをして表か裏を予想するものである。歪みのないコインを5回投げた。その結果、5回連続で表がでた。さて、6回目に投げたコインが表になるか裏になるかあなたはどちらに賭けますか。ちなみに、6回連続で表になる確率は$\frac{1}{64}$である。

例題解説

さて、これの答えは「表でも裏でもそれぞれの確率は$\frac{1}{2}$なのでどちらでも同じ」であるが、これを信じない人が一定数いる。もちろん、信じない人は6回連続で表になる確率は$\frac{1}{64}$なのに、表が起こるなんて方に賭けるのは非合理的だと思うのである。もちろん、アカギやカイジのようなギャンブラー漫画の主人公ならばたとえ$\frac{1}{64}$となるような賭けであっても勝ちそうであるが、一般人の我々はそうはいかない。ほとんど負ける。では、ここで信じない人は何を勘違いしているのかというと、連続している試行の確率と1回だけの試行の確率を混同しているのだ。この問題は6回目に投げるコインの表裏を予想する賭けである。つまり、5回目までのこと(結果)はどうだってよいのだ。なぜならば、このコイン投げの試行は独立だからである。独立ということを簡単にいうと、試行の結果が他の試行の結果に影響を及ぼさないということである。例を挙げて説明すると、

独立の例・独立でないものの例

独立な試行の例

さいころを振る(何度振っても特定の数字が出やすくなったり出にくくなったりしない)

コインを投げる(何度投げても、表が出やすくなったり、裏が出やすくなったりしない)

引いたくじを結果をみて戻す(1番目に引こうが、2番目に引こうがくじの中身が変わっていないので、特定のくじが出やすくなったり出にくくなったりしない)

独立でない試行の例

引いたくじを結果をみて戻さずに次の人が引く(1番目に引いたくじによって、2番目に引く人のくじの確率が変わってしまう。例えば、1番目に当たりを引くと2番目の人が当たりを引く確率が低くなるが、1番目の人がハズレを引くと2番目の人が当たりを引く確率が高くなる。)

これ独立である。これをしっかり理解していると、今何を聞かれている問題なのかがはっきりする。分かりやすく言うと、上の例は次のように聞いているのである。

結論

5回目までのコイン投げの結果は関係なく、次のコイン投げであなたは表か裏どちらに賭けますか?

こう聞かれれば誰もがどっちでも変わらないと納得するのではないでしょうか。

まとめ

いかがでしたか、確率は具体的に私生活でも想像しやすい分野であるせいか勘違いを起こしやすい分野でもあります。考えやすい分勘違いも多い。皆さんも確率とは良いお付き合いをしていってくださいね。

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